ESPギタークラフト・アカデミーは、開発途中の作品やアーティスト本人のギターやベースが間近で見られる環境が実際の教材になっています。ここでは、授業中に仕事できた修理品やオーダー品をちょこっとお見せします。
ガチャガチャギター製作
ESPギタークラフト・アカデミーが主催するギタークラフトコンテストのグランプリ作品が完成しました。東京校、大阪校、名古屋校、仙台校で担当する作品があるのですが、今回ご紹介するのは、東京校が担当した「ガチャガチャギター」です。その製作工程をご紹介いたします。
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1新潟県の敬和学園高等学校の女子生徒さんが考えた作品です。ギターにガチャガチャが組込まれた遊べるギターです。楽器店のイベントで活躍しそうな面白い作品だと思います。
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2デザインを参考に型を作りました。このギターに使われた木材は、「アルダー」です。
さて、ここからスタートです。 -
3指板にはLEDを組込みました。その指板はエボニーという高級材を使用しています。
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4ボディ製作はとても複雑です。ボディ強度も考え外側の材厚をしっかりと残し、カプセルがたくさん入れられるように、内側を掘ります。
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5材厚を残した外周に添って小物が入る穴を開けました。これで強度と見た目の両立ができました。
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6この段階ではまだ粗加工です。次に難題のガチャガチャの仕組を考えます。
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7このトレイをワイヤーで動かしカプセルを転がす仕組にしました。
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8ワイヤーは、ボディ裏側にアルミパイプが仕込まれていて、その中にワイヤーを通しています。
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9ここからワイヤーが出て、ギヤーに接続され、回転運動でワイヤーが押し引きされる仕組になっています。
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10ここまで出来れば、次は塗装ですが、はじめにダイヤルを木で製作し、塗装で仕上げました。
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11塗装仕上は、写真ではわかり辛いですが、赤にパール顔料を混ぜています。しかも光沢をあえて無くし、ガチャガチャマシーンで見られるプラスチックの風合いに近づけました。
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12ここからの配線、そして組込み調整が大変です。LEDとギター信号の配線は分けました。ボディにこれだけ大きな穴がありますので、ワイヤー同様に裏側に仕込んでおいたパイプに配線材を通しました。
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13ピックアップとアクリル板を取り付けました。アクリル板は、ボディTOP面に合わせるために落とし込んではめています。
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14裏側にピックアップセレクタースイッチとカプセルの補充穴があります。ここからカプセルをいつでも補充出来るようになっています。
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15中を見えなくするためにパネルも作りました。そしてLEDが点灯しますのでカプセルがとてもキレイに映ります。
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16完成です。ガチャガチャとしても遊べますし、とても楽しめるギターになりました。