ESPギタークラフト・アカデミーは、開発途中の作品やアーティスト本人のギターやベースが間近で見られる環境が実際の教材になっています。ここでは、授業中に仕事できた修理品やオーダー品をちょこっとお見せします。
ヘッドが大変なことに!パート2
「ギブソン系ギターのネック折れ」というのは結構頻繁にあるのですが、今回は「ヘッド割れ」です(笑)これにかぎらず、ビンテージの場合はいつも以上に慎重な作業が要求されます。とてもやりがいがあります(笑)
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11958年製のレスポールジュニアが入院してきました。う~ん、弾き込まれたヴィンテージギターは凄みがあってカッコイイ!!で、どこが壊れているかというと…
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2ヘッドの「耳」の部分が無くなっています…ライブ中にヘッドをどっかにぶつけたらしく、その時にバキッと接着面で割れちゃったとの事…あ~あ
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3しかもそれでも弦が張れるのをいいことに、無理矢理そのまましばらく使ってたとの事…とれた耳もどっか行っちゃったって!?ま、とりあえずペグを外します。
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4汚れてしまっている接着面をキレイに削って平面をしっかり出します。もちろん削る量は必要最小限に抑えます。
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5無くなった耳の再生手術をはじめます。まずは耳にする木を接着します。もちろん今回の材料はマホガニーです。固定しやすいように反対側にはあて木をします。
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6しっかり接着できたら、小刀やカンナでチマチマと成形します。ボロボロとはいえ、余計な傷を付けるのは厳禁です。慎重に慎重に…
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7とりあえず耳ができてヘッドの形が復活しました!ヤニ止めとウッドフィーラー(目止め)を塗ったらいざ塗装工程へ!
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8ギブソンのヘッドの表面は実は「黒」ではないんです。「黒い緑」なんです…これが厄介なんですよね~(笑)何度も色の配合を調整しながら着色をしていきます。
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9裏側も同じ色になるように、反対側の耳の色などを参考にしながらなるべく同じになるように着色をしていきます。
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10塗装が終わったら、次はレリック(古く見せる)加工です。ここだけピカピカだと見た目が変ですからね。やはり反対側等を参考にしてチョコチョコっと施します。
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11最後にペグを元に戻して弦を張って…はい完成です!ちなみに今回は同時にフレットとナットの交換もしました!これでばっちり!…もうぶつけないでね(笑)
ESPスタッフ