音が出る仕組み エレキギター編
●ピックアップの役割
ピックアップ(以下PU)の役割は、エレクトリックギター・ベースの小さな弦の音を電気信号に変換する(電気信号化された音を音声信号といいます)ことです。電気信号化されていれば、小さな音でもアンプを通して大きくすることができます。
●マグネティックPUの仕組み
マグネティックPUは磁石とコイルとで構成され、電磁誘導作用という現象を利用して発電しています。弦を弾くことにより磁石の磁力線(磁束)が変化してコイルに電流が流れます。
●電磁誘導作用とは
下図は磁石にコイルが巻いてある状態です。この状態で磁石を動かすと、磁力線(磁束)が変化してコイルに電流が生じます。ギターPUの場合、磁石を動かすことは無理なので、弦という別の磁性体(磁石にくっつくもの)を使って磁力線を変化させています。
※ナイロン弦では発電しません。
●弦の振幅により磁力線が変化して電流が生じる。
ギター・ベースの音はPUによって発生した電気信号がギター信号となって出力されます。
ピックアップの電流の方向は弦がマグネットに近づいた時と離れた時では信号の流れは逆になるので一方方向ではありません。このように時間とともに極性が周期的に変化するためギター信号は交流になります。
●交流とは
電池やバッテリー、太陽電池などは、電気の流れは常に一定の方向に流れる方式が直流です。
交流とは、プラスとマイナスが常に周期的に入れ替わり、それにともない電気の流れる方向も常に変わる方式です。発電機やコンセントなどから得られる電気の流れです。家庭に送られる電気も交流が送電されているため、コンセントプラグの向きを変えても家電機器が動くのは交流電源の特徴です。
●ギターベースの場合
ギターベースのピックアップの電気の流れは(ギター信号)交流信号ですので、ホットとアース側につながっていた線を逆にしても音は出ることになります。【注意!】
●注意!
ただし問題が一つあります。
ホットとアースの接続を考えずに音を出せるのは、ピックアップ1個までです。
2個目からは1個目のピックアップの交流(周期)パターンを合わせる必要があります。(図)
この動きを合わせることを「位相を合わせる」と呼びます。
●位相が合っていないと?
ここからはさらにややこしい話になります。
さて2つのピックアップの接続がお互い逆だったらどうなるでしょうか。
2つの音がミックスされた時に問題が発生します。
これは交流信号が時間の流れの中で電流方向が変わるため、2つのピックアップの位相を合わせないと信号の流れがお互いに「ぶつかって」しまうからです。
こうなると2つのピックアップの波形が打ち消し合い出音が小さくなってしまいます。これをフェイズアウトサウンドと言います。
このような問題が起きないために複数のピックアップを搭載する場合は専用のテスターを使い各ピックアップの電流方向を確認する必要があります。
●ピックアップ交換
上記で説明したようにピックアップ交換は専門的な技術が必要となります。
ピックアップを購入すると説明書が付いているものもありますが、これは同じメーカー同士を想定した説明内容になりますので、違うメーカーで組み合わせる場合には位相確認が必要となります。
それと白線、黒線の色だけでホットとアースを断定してもいけません。
メーカーによって波形の向きが違う場合もありますので経験豊富なプロショップで交換をお願いしましょう。
記事:ESPギタークラフト・アカデミー
ピックアップ(以下PU)の役割は、エレクトリックギター・ベースの小さな弦の音を電気信号に変換する(電気信号化された音を音声信号といいます)ことです。電気信号化されていれば、小さな音でもアンプを通して大きくすることができます。
●マグネティックPUの仕組み
マグネティックPUは磁石とコイルとで構成され、電磁誘導作用という現象を利用して発電しています。弦を弾くことにより磁石の磁力線(磁束)が変化してコイルに電流が流れます。
●電磁誘導作用とは
下図は磁石にコイルが巻いてある状態です。この状態で磁石を動かすと、磁力線(磁束)が変化してコイルに電流が生じます。ギターPUの場合、磁石を動かすことは無理なので、弦という別の磁性体(磁石にくっつくもの)を使って磁力線を変化させています。
※ナイロン弦では発電しません。
●弦の振幅により磁力線が変化して電流が生じる。
ギター・ベースの音はPUによって発生した電気信号がギター信号となって出力されます。
ピックアップの電流の方向は弦がマグネットに近づいた時と離れた時では信号の流れは逆になるので一方方向ではありません。このように時間とともに極性が周期的に変化するためギター信号は交流になります。
●交流とは
電池やバッテリー、太陽電池などは、電気の流れは常に一定の方向に流れる方式が直流です。
交流とは、プラスとマイナスが常に周期的に入れ替わり、それにともない電気の流れる方向も常に変わる方式です。発電機やコンセントなどから得られる電気の流れです。家庭に送られる電気も交流が送電されているため、コンセントプラグの向きを変えても家電機器が動くのは交流電源の特徴です。
●ギターベースの場合
ギターベースのピックアップの電気の流れは(ギター信号)交流信号ですので、ホットとアース側につながっていた線を逆にしても音は出ることになります。【注意!】
●注意!
ただし問題が一つあります。
ホットとアースの接続を考えずに音を出せるのは、ピックアップ1個までです。
2個目からは1個目のピックアップの交流(周期)パターンを合わせる必要があります。(図)
この動きを合わせることを「位相を合わせる」と呼びます。
●位相が合っていないと?
ここからはさらにややこしい話になります。
さて2つのピックアップの接続がお互い逆だったらどうなるでしょうか。
2つの音がミックスされた時に問題が発生します。
これは交流信号が時間の流れの中で電流方向が変わるため、2つのピックアップの位相を合わせないと信号の流れがお互いに「ぶつかって」しまうからです。
こうなると2つのピックアップの波形が打ち消し合い出音が小さくなってしまいます。これをフェイズアウトサウンドと言います。
このような問題が起きないために複数のピックアップを搭載する場合は専用のテスターを使い各ピックアップの電流方向を確認する必要があります。
●ピックアップ交換
上記で説明したようにピックアップ交換は専門的な技術が必要となります。
ピックアップを購入すると説明書が付いているものもありますが、これは同じメーカー同士を想定した説明内容になりますので、違うメーカーで組み合わせる場合には位相確認が必要となります。
それと白線、黒線の色だけでホットとアースを断定してもいけません。
メーカーによって波形の向きが違う場合もありますので経験豊富なプロショップで交換をお願いしましょう。
記事:ESPギタークラフト・アカデミー