ギタービルダーと呼ばれる個人製作家の中には、アコースティックギターやウクレレなど、”箱鳴り”にこだわった楽器を製作されている方が多くいます。このような製作家をルシアーと呼びます。
エレキギター以上に、木材の選定から加工、塗装によって音色が左右されるため、より高度な製作技術が必要となります。
新しく開講されるアコースティックギター製作学科では、基礎となる道具の使い方から、オリジナルギターの製作が出来るまで、しっかりと段階を踏んだカリキュラムを構成しております。「とにかくアコギを作りたい」方も、「将来独立開業を目指す」方も、まずは一歩を踏み出してみませんか。
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1作目では、OOOモデルの側板を使用し、表板、裏板の製作からスタートします。
特に表板のブレーシング(力木)加工は音色やギター本体の強度を決定づける重要な作業です。
ここではノミやカンナといった道具の仕立てから正確な使い方まで、基礎の技術を習得しながらアコースティックギターの構造と製作工程を学びます。
塗装は各人のオリジナルカラーで仕上げます。
1作目から好みのモデルが作れるのも楽しみのひとつです。2作目では、ドレッドノートモデルを板材から全て独自で製作していきます。
製図から始めて、トラスロッドの仕込み、フレット打ち、ブリッジの製作など一気に難易度が上がりますが、ギター製作の醍醐味が充分味わえると同時に、ギターを作る面白さも一気に増します。また、製作していく過程で、自身の技術向上も感じられるでしょう。
独自で設計したヘッド形状やピックガード、全体的なカラーリングなどで、あなたの個性を演出して下さい。
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1作目は、ピエゾピックアップ&プリアンプを搭載したエレアコを製作します。OOOサイズのボディを基本に、ボディ厚を変えたり、ハイフレットを弾き易くする為のカッタウェイを入れるのも自由です。サウンドホール周りにオリジナルのロゼッタ(装飾)を加えてみるのも面白いでしょう。
プリアンプを取り付ける作業では、エレキにも共通する配線の基礎や電気系統の知識を学ぶことが出来ます。2作目はいよいよ本格的なオリジナルギター製作に入ります。アコギなどの箱ものギター製作において、無くてはならない 『型枠』 の作り方から学びます。
製作するモデルは、アコギにこだわらず、アコースティックベースや、ウクレレ、スモールサイズのアコギなど、フラットトップの構造であれば全て可能です。また、ボディをくり抜いてトップ板を貼る構造のセミソリッド(セミホロウ)ギターを作ることも可能です。 あなたのイマジネーションがギターとして完成する瞬間を体感して下さい。
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3年次は、セミアコやフルアコなど、高級ギターによく見られる削りだしのアーチドトップギター製作が可能になります。
もちろん、製作するモデルは憧れのあのギターをモチーフにした物でも、世界に1本の完全オリジナルモデルでも構いません。
ヘッドトップや指板、ボディなどに、オリジナルのインレイ(装飾)を入れるというのも醍醐味のひとつです。
また、3年次では製作本数を自身で自由に設定することが出来ます。1年かけて究極の1本を製作するも良し、全くコンセプトの違う楽器を作ってみるのも良し、いずれにしても、自らのスキルをさらに伸ばすことが出来る一年になることは間違いないでしょう。
希望者には、卒業後進路の指針として系列楽器店での職場研修を受けていただく事が出来ます。 また、個人製作家として活躍されている多くの卒業生をお招きしてのセミナーや交流会等も開催しております。